り!ゼロから始めるボードゲーム製作
※寄稿記事の転載です。
昨年ゲームマーケットに初めて行って感銘を受け、
『すごい!僕もゲームを作ってみたい!』と大興奮。
と心に固く誓ったのはいいものの、
『でも作り方が全くわからない!』
となった皆さん。
あるいは最近のボドゲブームに触れて
『ゲームマーケットには行った事ないけど同人ボードゲームを売ってみたい!』
となっている皆さん。
皆さんが夢破れてゲームマーケットのブースの裏側で
とならないよう、同人ボードゲームの作り方をお教えしたいと思います。
あなたも来年から同人ボードゲーマーになれるように、この記事を読んで
り!していってもらえれば幸いです。
大事な事
さて、初めてのゲーム作成に初めてのゲムマ出場。
色々とやることは多いけど、はたしてそれらを全て滞りなく行えるでしょうか。
と胸を張っていきたいところですが、もちろん最初からそう上手くはいきません。
でも大丈夫。先人の皆さんも一様に乗り越えてきた壁です。
と強迫的になる必要もありません。
大切なのは何でもかんでも『上手くやってやろう』とは思わない事です。
上手くいかない事は最低限どうにかなればいいのだと割り切りましょう。
幸いな事にこの記事以外にもインターネットでは様々な備考録を読む事が出来ます。
先人の失敗を上手く自分の要素にしていきましょう。
むしろ、下手にオリジナリティーを出そうとして
と先人の二の舞にならないよう注意したいものです。
既にあるゲームの良い要素は大いに参考にさせてもらいましょう。
全くのオリジナルでゲームを作るのはとても難しい、というかムリです。
自分が今までの人生で受けてきた多くの様々な影響を廃せない以上、
ゲームの要素に多少先人へのリスペクトが混じるのは仕方ありません。
しかしながら、だからといって
などと潔癖になる必要もありません。
何分初めてのゲーム作成、既にある物は有効に活用しましょう。
おススメは萬印堂さんの小ロット応援印刷パックです。
http://www.mnd.co.jp/小ロット応援印刷パック/
5万円以下でまともなボードゲームを50セットも作る事が出来ます。
これだけの要素でゲームを作れるのか、と思うかもしれませんが大丈夫。
チップなどは別に自分で追加できるし、サプライヤーが限られている事で逆に要素が絞られ、
ゲーム制作に不慣れでもある程度まとまった堅実なゲームを作る事が出来るでしょう。
むしろ、初めてゲームを作る場合には、ゲームの内部よりはもっと別の所に注意を向けてやる必要があります。
・説明書
説明書はゲームのルールそのもの。
説明書の読みやすさやわかりやすさは場合によってはゲーム内容そのものよりよほど大事です。
説明書の内容は何度も吟味して精査する必要があります。
ゲームの内容や分かりにくい処理について問われてもさっと答えられ、
と胸を張って言えるくらいが理想です。
少なくとも試遊のインスト中にルールの質問をされても滞りなく説明できるくらいにはしておきたいものですね。
印刷はカラーとモノクロ、どちらにもメリットデメリットがあるので自分に合った物を選びましょう。
カラー印刷で画像入りの物は値段こそ張りますがやはり判りやすいです。
モノクロはその逆、枚数が複数に渡るようならこちらもいいでしょう。その場合カラー版をwebにあげておくと効果的です。
ただ、どちらの場合も印刷は自宅の家庭用プリンタでやった方が安く済んでいいと思います。
・値段
お客さんがあなたの作ったゲームの内容に感動して
となれば話が早くていいのですが、現実にはあまりそう上手くはいきません。
多くの場合、お客さんがゲーム内容の次に気にするのは
です。ここはシビアに決めていきたい所です。
でもどうやって決めればいいのか。そこで損益分岐点という概念が出てきます。
下のリンクはゲームマーケットの出展料です。
http://gamemarket.jp/entry/
たとえば、試遊スペース在りの最低価格は11880円、交通費などの雑費を加味すれば15000円程になります。
次に事前にTwitterなどで宣伝したあなたのゲームの評判について考えます。
様々な要素を吟味して、絶対にこのくらいは売れる!という個数をはじき出して下さい。これを損益分岐点X個と置きます。
そうしたら、15000 ÷ X + 一個辺り材料原価の式にあてはめましょう。
『ボードゲーム:スタンダード』での応募で試遊ありならまあ20個くらいは売れるとして、
上の萬印堂さんの小ロット応援印刷パックBパックで考えると32400 + 600 ÷ 50 = 660円が材料原価(600円は振込手数料)ですから、
これを式にあてはめると15000 ÷ 20 + 660 = 1410円、切り上げて1500円程で売ればいいという事がわかります。
他の場合でも上の式を参考にしてみて下さい。
・プロモーション
Twitterやゲムマ公式HPでの宣伝、あるいは現地当日でもそうですが、
お客様の関心は最終的にはあなたのゲームの
という事に収束します。
出来る事ならゲームと作る段階から完成後のプロモーションや試遊のし易さを
考慮出来るといいですが、まあ初めての場合そう上手くはいきません。
事前告知は、出来ればTwitterでの #ゲムマ タグでの投稿と公式サイトでの告知はやっておきましょう。
これらは、今回の宣伝だけでなく次回以降の実績にも繋がります。
また、余裕があれば動画での告知やプレイ動画のアップも非常に効果的です。
ちなみに、個人的には一番大事なのは試遊ありで応募する事と新作コーナーに試遊を1つ投げておく事。
そして、申し込みの際、「出展ジャンル」を「ボードゲーム:スタンダード」にして応募する事です。
私達は前回「ボードゲーム:キッズ」で応募しましたが、「ボードゲーム:キッズ」と「ボードゲーム:スタンダード」とでは
客足に体感で10倍もの差があります。
最も効果の大きいプロモーションは、実際に会場で多くのお客様に現物を手に取って見ていただく事です。
追記:こんな記事が上がっていました。
https://togetter.com/li/1111319
・店員数
上記の11880円に応募して当選した場合、あなたの家にスタッフ入場のタグ4枚と
一般入場用のカタログ一冊が送られてきます。
よって追加のお金を払わずとも最大5人が入れる事が出来るのですが、経験から言えば
販売、インスト用のスタッフは二人ずつ最低4人いた方が都合がいいです。
もし試遊ありでゲームを売る場合、メンバーは『販売、金銭管理』と『試遊、インスト』の
事になります。
サークル席で商品説明を金銭管理と同時に行う事は難しいですし、
試遊席でもルール説明と試遊に混ざってのサクラを同時にこなすのは至難の業です。
そうでなくとも連絡の取りづらい会場で片方がもう片方に
するのは一人では困難ですし、他にもトイレに行くときや
に行くときには複数人がその場にいなければ席を無人になってしまいます。
理想としては二人ずつを二か所に配置し、連絡兼穴埋めに一人遊ばせておくのがいいでしょう。
たとえ頼れる友人がほぼおらず、数合わせのような
となっても、誰もいないよりは遥かにましです。
頼り頼られるからこその友、頭を下げて手伝ってもらいましょう。
・釣銭
必ず気にしなければいけないのが釣銭です。
用意が甘いと500円や1000円が足りなくなり、お客様に
という事になりかねません。
理想は500円玉×20個、1000円札×20枚、5000円札×4枚ですが、
最低でもこの半分ほどは用意しておきたい所です。
損する訳ではないので足りなくなるよりはむしろ多めに用意しておいて、
もし使わずに余ったら
と夕飯に少しいいものを食べるくらいがいいでしょう。
終わりに。
僕ははっきり言って人に講釈をたれるような立場にはありません。
と思われるかもしれませんし、あるいは
と思われたかもしれません。
しかしながら、これを読んで少しでも『役に立った!』と思ってくれる
人が一人でもいるなら幸いです。
そして、文章の合間合間に嫌というほど挟まった画像の詳細が気になったら
をぜひご視聴してみて下さい。ありがとうございました。